−fraise−

fraiseはフランス語で「いちご」。いちごケーキのような甘酸っぱい恋愛話で至福のひとときを。

美しき思い出、高校生との純粋な恋愛

      2017/07/08

これは私の友人の話です。

彼女とは大学入学を期に知り合い、たまたま下宿が近所だったこともあって、親しくなってからはしょっちゅうお互いの下宿を行き来するようになりました。

私の下宿はコンロが電気でしかも一口。生来の面倒くさがりも手伝って自炊をすることはほとんどありませんでしたが、彼女はマメでおまけに料理が趣味だったので、その恩恵に預かることもしばしばでした。

授業を終え、彼女も私もサークルもバイトも無い日だったので、久しぶりに2人で飲もう、ということになりました。飲むといっても田舎の大学のこと、洒落た居酒屋やバーがあるわけではなく、安いワインやチュウハイを買い込んで、彼女の家で宅飲みです。

彼女の手製の料理を肴に、会話はお決まりの恋バナ。当時彼女も私も彼氏はおらず、顔を合わせるとしょっちゅう「大学入ったんだから彼氏欲しいよね~」と話していました。とはいえ本気で出会いを求めているというよりは、半分この会話が挨拶化している向きがありましたが。

この日も私の方から「彼氏欲しいな~」とお酒を飲みながら何の気なしに彼女に言うと、いつもなら「そうだよね~」とすぐに返事をしてくれる彼女が少し間を置いて「…うん」との返事。

なになに、もしかして…。「彼氏できたの?!」と勢い込んで聞く私に、彼女は「彼氏とか言うんじゃなくて…」とはにかみながら答えてくれました。

聞くと彼女は高校生に告白されたとのこと。

「高校生?でもまた何で。どこにそんな出会いが?」とクエスチョンだらけの私に彼女がゆっくり語ってくれました。

相手は彼女がよく食料品を買出しに行く近所のスーパーでバイトをしている高校3年生。

そのスーパーには精肉売り場の隣に量り売りをしてくれるコーナーが併設されていて、そこでバイトをしている男の子だというのです。

そのスーパーは私も何度も利用しているお店でしたが、あまり料理をしない私は寄り付かないコーナーでした。

彼女は普通のパックになっている売り場だと、一人では量が多いのでいつもコーナーで100gくらいのお肉を購入していたそうです。

顔馴染みになるにつれ、店のおじさんとも会話するようになり、ある日「君いつもここで買ってくれるよね?近所だったら○○大学の学生さんかな?コイツが貴方に憧れてるって言うんですよ」と告白した彼を紹介されたそうです。

「もうその時はびっくりしちゃってさ、お互いドギマギしてろくに何喋ったかも覚えてないの。

そんなことがあってから何となくそのスーパーに行き辛くなって。

でも、やっぱり便利だから久々に顔出したらね…」彼女が久しぶりにお肉屋さんのコーナーに行くとそこには彼の姿が。

お互いぎこちなく「お久しぶりです」という挨拶を交わした後、「ちょっといいですか」と彼にお店の裏に呼ばれて「好きです」と告白されたそうです。

彼女「本当に『告白』って感じで、つきあってください、とかいうのでもなかったんだよね、だからどうしたものかと思って」

私「高校生でしょ、しかも髙3て大事な時期じゃん。どうするの?」

彼女「どうするも何も…、でも私と同じ大学に行けるように頑張るって言ってた」

彼は真面目な趣のあるなかなかのイケメン君ということで、彼女もまんざらではないようでした。

ただ年下で高校生というのが引っかかるらしく、今はお付き合いは無理だけど、本当に一緒な大学になったらわからないなあ~と言っていました。

その後もちょくちょくそのコーナーでだけですが顔を合わせ、会話を交わし、受験のお守りも渡したそうです。

受験シーズン到来。結果は…桜散る。彼は私達と同じ大学に入学することなく、地方の大学進学が決まりました。

彼女に報告した彼は泣いていたそうです。「地方に行っちゃうんじゃ仕方ないよねぇ~、春を楽しみにしてたんだけどなー」と私に話す彼女の目にも光るものがありました。彼女も彼のことが好きになっていたのです。

彼が旅立つ日、彼女はバイトをさぼって駅まで見送りに行き、それが高校生の彼との最後の別れになりました。

今でも彼女に会うとたまにその話になることがありますが、「あんなに純粋な恋愛は最初で最後だったかも。今でもすごく綺麗な思い出」が彼女の口癖です。

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