−fraise−

fraiseはフランス語で「いちご」。いちごケーキのような甘酸っぱい恋愛話で至福のひとときを。

大好きだった、一つ上の先輩

   

私の初恋体験のお話です。私の初恋は中学2年生の春でした。

相手は一つ年上の3年生。背が高く、野球部でショートを守っているスポーツマンでした。

バレー部だった私は、部活が終わり、ワイワイみんなと下校するとき、いつも目の前を歩く彼の姿を目で追っていました。

もちろん片思い。告白なんてとんでもない。口をきくこともできない雲の上の人でした。

夏休み。部活に明け暮れ、汗を流す毎日。

彼も、グラウンドで真っ黒になって練習をしていました。

ある日の出来事です。その日は、部活を早く切り上げて顧問の先生がプールで水遊びをしようと提案しました。

みんなでプールサイドで体操着のままホースで水をかけ合ったり、プールサイドに腰かけ、パチャパチャと足を水につけて、友達とおしゃべりしていました。

そこに、練習を終えた野球部の人たちもやってきたのです。もちろん、彼も。

「なんだ、バレー部。ずいぶん楽しそうだな。俺たちも仲間に入れてくれよ」

「いいよ、入ってきなよ。先生の許可とったから。でも、プールで泳いだらダメだからね」

それからは、バレー部、野球部ごちゃまぜの放水大会が始まりました。

プールサイドでホースの水をかけられないように逃げたり、追いかけたり。

偶然、目の前に彼が走っていました。もうドキドキ。彼の後姿をずっと追っていました。

と、その時、彼がいきなりしゃがみ込みました。放水を避けるためだったのですが、背の高い彼の後ろで、私には見えなかったのです。ホースの水がいきなら私に命中。

ずぶ濡れになってしまったのです。

彼はビックリして、慌てて大きなスポーツタオルで私の頭をごしごし拭いてくれました。

そして、何と、彼のスポーツウエアを貸してくれ、ブカブカのスポーツウエアを着た私を、自宅まで自転車の後ろの乗せて送ってくれたのです。

夢のような出来事でした。それから、彼は学校で私を見かけると、手をあげたり、声をかけてくれるようになりました。

2月のバレンタインデー、来月には卒業してしまう彼に、手編みのマフラーと手作りのチョコをプレゼントし、想いを告白しました。

彼はまじめに話を聞いてくれて、そのあと、

「俺、高校に行って思いっきり野球をやりたいんだ。ごめん、今は誰かと付き合うとか考えられないんだ。本当にごめん」と。

私は見事にふられてしまいましたが、不思議と悲しくありませんでした。それどころか、なんだかすっきりとして

「先輩。ありがとうござしました。高校にいったら野球頑張ってください!」

と泣かずに言うことがでこいまた。

今でも、ときどき、お天気のよい日に窓際で、子供の洗濯ものをたたみながら、彼はどうしているんだろうか、と思い出すときがあります。淡い初恋のお話でした。

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